先日、YouTubeを観ていたら、とある有名アスリートが興味深い話をしていました。
興味の先は、「ゆらぎ」についてです。
冬季北京オリンピックで活躍した高木美帆さんが、あるインタビューの中で、「コンディションの保ち方」についての質問に対してこんな風に答えていたのです。
コンディションが少し落ちてもあまり焦りすぎたり自分を追い込みすぎたりしないように波があっていいとは思っています。
CW-X公式チャンネル
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コンディションに波があって良いということは、良い時と悪い時があって当然であり、好不調のゆらぎを想定してコンディション作りをすることだとボクは理解しました。
ところで、あなたは「ゆらぎ」と聞くと、どんなことを思い出しますか?
ボク自身、「気持ちがゆらぐ」「波がある」「心がゆらぐ」など、安定しない、気持ちがまとまらないといったようなちょっとネガティブなイメージを抱いていました。
その理由は、「ゆるぎない気持ち」を持つことは優れているという常識が一般的だからだと思います。
しかし、ゆらぎの発想の著者である武者利光氏の著書と出会ったことで、最近この「ゆらぎ」はわれわれの心と体に必要不可欠なものだということがわかり、「ゆらぎ」に対してポジティブなイメージに変わったのです。
そこでこの記事では、「ゆらぎ」が実生活の中でどのように影響を与えているか、実体験を交えて考察考してみます。
適度なゆれは快適
しばらく電車や車に乗っているうちに、ついウトウトしてしまうことがあります。
あの、適度な「ゆれ」は、われわれに何とも言えない快適な環境を与えてくれます。
ではこれが、時速50〜60キロのトラックで、デコボコ道を走っていたとしたら、やすらぎを感じられることはなさそうですよね。
このように、適度な「ゆれ」は一定周期の振動となり、その振動に脳が慣れてくると、あまり気にならなくなり、また、目的地まで確実に運んでもらえるという安心感を得ることで、「ゆりかご」に揺られているような状態に近くなり、眠くなってしまうのだと思います。
自然がもたらすゆらぎ
ゆらぎに関係するものは、目に見えるだけでなく、肌触りなどにも影響しているようです。
例えば、木目。
木目が現れるのは、年輪のせいですが、よく観察すると、年輪は完全な輪ではなく、微妙に幅が違っています。
また、自然食品を(人工)食品よりも好んだり、手作りや手織りに魅力を感じられるもの、この「微妙な不完全さ」が隠されているからこそなのではないでしょうか。
話の上手・下手にもゆらぎ
話が上手い人とそうでない人の差に、「ゆらぎ」が関係しているようです。
間の取り方、言い換えるとピンとくるかも知れません。
途切れることなく話しかけられる、いわゆるマシンガントークをされたあとに疲れてしまうことがあります。
それとは逆に、NHKのアナウンサーの声は、いつまでも聞いていらそうな、耳障りの良さがあります。
話を聞く側に立ってみると分かりますが、話を聞いていて、自然にイメージが湧くような時は心地よく感じますが、イメージが湧かずに何らかの脳内変換だと、ものすごい脳にストレスがかかっているように思います。
ちなみに、著書の中で、武者利光氏は、以下のように述べています。
話し方の上手な形の声の強弱変動の仕方を分析してみると、ここにも「1/fゆらぎ」が顔を出しました。アナウンサーのイントネーションの取り方を解析した結果まさに「1/fゆらぎ」が現れて驚いたものです日本語に限らず英語のスピーチも同様でした。
ゆらぎの発想 【武者利光 著】
仕事やプライベートで気持ちが揺れ動くことはよくあります。
これからも「ゆらぎ」に関することで気付いたことをメモしてみたいと思います。