映画「君を想い、バスに乗る」を鑑賞してきました。
感想をひとことで言うと、乗り合いバス=人生だと認識しました。
あらすじ
最愛の妻を亡くしたばかりのトム・ハーパー(ティモシー・スポ―ル)はローカルバスのフリーパスを利用してイギリス縦断の壮大な旅に出ることを決意する。目指すは愛する妻と出会い、二人の人生が始まった場所―。
行く先々で様々な人と出会い、トラブルに巻き込まれながらも、
妻と交わしたある“約束”を胸に時間・年齢・運命に抗い旅を続けるトムは、まさに勇敢なヒーローだ。
愛妻との思い出と自身の“過去”ばかりを見つめていたトムが、旅を通して見つけたものとは・・・?
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乗り合いバス=人生
乗り合いバスでは、たくさんの人がそれぞれの目的地へと、乗っては降りてを繰り返します。
このような場面を何度も観ているうちに、乗り合いバスって人生そのものだと思いました。
よく、旅を人生に例えることがあるように、主人公にとってバスでの道のりが妻との思い出が凝縮されていたようです。
道中では、怪我をしたり、ひったくりに遭うなど、多くの不運に見舞われます。
それでも、誰かのせいにすることもなく、淡々と妻との約束を果たすために前に進んでいく主人公の姿を観ていると、ボクもいつまでも彼のようにありたいと素直に感じられました。
日本人にも他人事ではない社会問題
映画の中で、いくつかの社会問題が取り上げられているように感じました。
それは、貧困と差別です。
ネタバレになりそうなので詳しくは書きませんが、主人公のトムは貧困が発端となったトラブルに巻き込まれますが、めげることなく前に進みます。
また、差別が発端となったトラブルでは、体を張って立ち向かいます。
これらのシーンを通して、トムが、あなたたち日本人も、他人事ではない時代が来ていますよ、と問いかけられているように感じました。
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映像が美しい
ボクがこの映画で一番期待したことは何かと言えば、イギリス全土を路線バスで横断するということを疑似体験したかったからです。
さすがイギリス、赤い2階建てバスだったり、観光バスみたいな色んなバスが出てきて面白いです。
トムが終点を寝過ごしてしまうシーンがあるのですが、外国ではバス停のアナウンスをしないんだよなぁ、、、なんていう自分の海外での体験を想い出します。
荒涼とした海辺のシーンも美しいし、回想シーンで登場する妻とその衣装がまたお洒落で、これまた西洋好きなボクにはたまりませんでした。
まとめ
ラストシーンで主人公トムが発するシンプルなひとこと、あんなひとことを言える人生でありたいです。
残りの人生、どう生きるか?誰と生きるか?ということが時々頭によぎる、もしくはシニア世代におすすめの映画です。