カスタマージャーニーマップとエクスペリエンスマップの違いとはなんでしょうか?
ひとことで言えば、企業側が計算高く仕組むか?、顧客個人の体験や生活にどうなじむか?という視点の違いです
この記事を書くボクはウェブ解析士として、数十社の企業さまの顧客体験の可視化をサポートした体験を踏まえて、なぜカスタマージャーニーマップを作っても機能せず失敗するのか、エクスペリエンスマップとの違いは何なのかを説明します。
カスタマージャーニーマップが失敗する理由
カスタマージャーニーマップが失敗する理由をひとことで言えば、企業側が顧客がどんな体験をしているのか知らないために、表層的な課題しか抽出できず、改善施策も表層的になるからです。
例えば、営業チームと、マーケティングチームが連携することなくバラバラに動いているような、企業の業務が縦割りだと、エクスペリエンスマップのような広範囲で顧客体験を可視化することは、難易度が高いです。
カスタマージャーニーマップ とエクスペリエンスマップの違い
カスタマージャーニーマップ とエクスペリエンスマップの違いを理解するために、先日、ボクが友人とゴルフクラブの話をしてから、買うまでの体験を簡単にマッピングしたものを見ていただきます。
上図にあるように、現在は情報の数や、情報を得る手段を含め、意思決定までに膨大な体験を積み上げています(実際はもっと多くの体験をしていますが)。
ところが、カスタマージャーニーマップを担当者の頭の中で想像しただけだったり、理想の顧客像を作っていただけでは、表層的な感情や精神状態しか理解できず、改善施策も表面的になりがちです。
顧客の視点から見ると、一貫性のないつぎはぎだらけの施策となり、企業側が設計した導線に載せようとするだけの計算高さを感じ、離脱してしまうんです
エクスペリエンスマップは体験が網羅されている
もうひとつ、スターバックスコーヒーのエクスペリエンスマップをご紹介します。
想定するユーザーは、常連客のエリックさん、カフェの利用目的は仕事です。
ご覧になったことがあるかも知れませんが、個人的にカスタマージャーニーマップとエクスペリエンスマップの違いを理解するのに、好事例ではないかと思います。
その理由として、顧客にとって不満足な体験や可もなく不可もないまあまあの体験も網羅されていることです。
一部を抜粋しますが、①飲み物が美味しい・温度が程よいという満足な体験だけでなく、②話し声が聞こえる③座席・コンセントが足りない、イスの掛け心地が悪いといった、まあまあの体験や、不満足な体験といった体験に関する重要な洞察が示されているのが、エクスペリエンスマップの特徴だと言えます。
不満足な体験を繰り返していたら、もう二度と来訪してくれませんよね
まとめ
どちらが良い、悪いということではなく、2つのマップを上手く使い分けることが重要です。
カスタマージャーニーマップは顧客満足度を向上させる目的で、エクスペリエンスマップはや離脱防止の施策やこれまで気が付かなかった価値創造のチャンスに気付くキッカケ作りにも役立ちます。
このあたりは、GA4の機会学習とも非常に親和性の高い考え方なので、これからも情報発信していきます。
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